2005 12 メールについて

 僕の携帯にはよく、「ゆうべあのあと眠れなくって……」などという、ディープな愛のメールが届くのですが、これは自慢している訳ではなくて、そのメールの続きを明かせば、「ゆうべの写真見て見て。http://~」であり、もうお分かりかと思いますが、おそらくネッカマが発信している、いわゆる迷惑メールであります。

 そういったメールは就寝中にもよく届いてまして、毎朝起きて一番にやる事は、三件以上来てる迷惑メールの消去という、メンドくさい不毛な作業で、いくらすがすがしい目覚めであっても、ランコーパーティーや混浴風呂大会のお誘いメール等をまず目にせざるを得ず、しかしそれはまだいい方で、家を出て、カワいい子犬を連れたうちの大家さんに会い、気持ち良くご挨拶を交わした直後に、「あなたの飼っているペットとHしたい」という、変態女からのメールが来たり、そのほか美味しい食事後の一服中に、「ホーケー手術で切り取った皮を食べたい」というショッキングなメールが来たり、もういい加減ウンザリで、全く迷惑千万であります。下品な話が続きましたが、事実ですのでご勘弁下さい。

 メールやネットは現代人にとって、すっかり生活の一部な感じで、もちろん便利ですから利用すべきでしょうが、ハマり過ぎた人は引きこもりやニートになり、悪用する人はネット犯罪を行い、マニアックな人は怪しいサイトに集ったりで、この文明の利器は人間の裏面の、ドロドロした異常な部分を助長する、危険な道具だとの指摘もあって、例えばダウンロードした残虐ゲームで興奮したり、匿名のメールで他人を誹謗し快感を得たりなどの、これらの行為が深層心理に潜む暗い部分を、刺激し肥大させてしまって、それが凶悪犯罪につながるとすれば、病んでると言われる現代社会の、その原因に違いなく、迷惑メールに悩まされる僕も、そのように人間をダメにするなら、むしろこの利器は無いほうが良いだろうと思ったりしてしまいます

 しかしこれからこの意見を、史実を挙げ少し強引に比較、検討いたします。遠い昔、古代ローマでは見世物として、檻の中に奴隷と猛獣を閉じ込め闘わせるという、残酷なショーをやっていて、市民は夢中になってたそうで、近代ヨーロッパでも市民の娯楽として、公開処刑が大人気だったらしく、何万と見物人を集めたそうで、また凶悪犯罪の話では、死体を硫酸で溶かし処理した殺人鬼や、入れ墨のある囚人の皮膚を剥ぎ、その皮で手袋やブックカバーを作り愛用したという、狂った軍人などもいて、歴史は学習マンガなんかを読めば華やかでロマンに溢れてたりしますけれども、裏面に隠れた悲惨な話は数限りなくある様です。気分を害する話が続きましたが、事実らしいのでご勘弁下さい。

 もちろん前出のおぞましい話は昔の悲劇で、今とは時代が違うのですが、しかし変わったのは時代とその環境だけで、人間の、また人間社会の本来の姿は、今昔関係なく不変かも知れず、病める現代社会を正すという理由で、仮にインターネット等を退治しても、それで全て解決するはずはなく、確かにネットは人間の裏面と結び付きやすい性質はある様ですが、そのせいにし過ぎるのは間違いだろうという気がします。

 このエッセイを書いてる途中に、チクビを切られたいというMっ娘からメールが来てしまいました。生死に関わらなければ何でもOK(^o^)bとの事ですが、とりあえず僕もそろそろ、アドレスを変えようかと思っております。