2005.2

 トリオと呼ばれるマクドナルドの月替わりのお得メニュー、今月二月はポテトSドリンクSと、てりやきマックバーガーのトリオですが、先日それらをイート・インしまして、ふと食事中に見た貼り紙によれば、このバーガーは日本発で、よその国ではサムライポークバーガーとの名で売られてるそうで、そういえば今テレビ界では弦楽器侍が活躍してるし、また昨年の映画、トムちゃんケンちゃんのサムライものは大ヒットしたし、それと同様この侍豚小麦野郎も、海を渡って武士道を伝え、そして西洋人に舌鼓を打たせたかと思えば誇らしげであり、急にサムライスピリットに触れてみたくなり、食後に早速本屋へ向かい、そういった書物を購入し、厳粛な気持ちで、拝読いたしました。

 そういった書物、タイトルは『早わかりナルホド武士道』ですが、一気に読み、忠を尽くして義を貫く等のその精神を、まあナルホドと何となく早わかりしたのですが、その精神よりもむしろ印象に残ったのは、頁の端っこに小さな文字で書かれていた、『おサムライさん豆知識』で、江戸時代、武士の身分は売買できて、借金返済のため、町人にその身分を売った侍が結構いたことや、夫婦の離婚の際、武士が妻へあてて書き渡す離縁状は、男性優位なイメージですが、女性がそれをもらうことにより再婚の自由を得るという意味合いもあり、別れたくないとごねる武士に無理矢理離縁状を書かせ、新しいオトコと結婚した女も実際いたということなどの、なんだか駄目侍という感じの話と、それらとは全く真逆な感じの、これは明治維新の頃の話で、無礼な西洋人を斬ってしまった侍が、とがめられ切腹を言い渡され、西洋人公使の前で割腹中に、手を腹のなかに入れ、腸をつかんで引っぱり出したり、臓物を投げ付けようとしたりしたという、テレビの弦楽器侍の切腹ごっことは程遠い、リアルなハラキリのクレイジーなエピソードがあり、その西洋人公使はオシッコもらしちゃうくらいビビったそうで、同じく僕もその話はビビってしまって、武士ってやっぱり遠い存在・・・・・・と、思い知らざるを得ませんでした。

 そしてふと、浮かんでしまった疑問なのですが、海外のジャパニーズレストランにおいて、たとえばホルモン焼き、もつ煮込みなどの臓物料理がメニューの中にもしあって、さらに名前を洋風に付けられてるとしたら、一体どう呼ばれているのでしょう?サムライレバーシチューとかでしょうか?しかし先程のハラキリエピソードを西洋人が知ったとき、そのサムライホルモンのボイル料理に、果たして舌鼓を打てるでしょうか?

 最後に僕が買った本に関してですが、そのタイトルに引かれて選んでいまして、武士道を早わかりという形で、ナルホドと理解しようという安易な態度は、武士に対してこの僕も、無礼であったかもしれません。